14.実力測定という名の

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入口すぐの扉、ロビーのような大広間から繋がるソコが地下への扉らしい。 近づくにつれ、人の声──歓声が聞こえてきた。 「盛り上がってるね、楽しそう」 扉を片手で開けながら、クライシュは乾いた笑い声をあげる。 「見てる方は楽しいっすよ──見てる方だけっすけど」 見てる方だけ、という所を何度も強調して言う。 きっとこの言葉も、現場に着けば意味が分かるのだろう。 キィ、と軋んだドアが開く。 歓声に包まれると同時に、円状の闘技場(コロッセオ)が視界いっぱいに見えた。 「───ようこそ!! 模擬闘技場へ!!」 そう言ったクライシュの言葉も、ようやく聞き取れる程に、会場は盛り上がっていた。 円形のフィールドを囲むように、階段状で観戦席は設置されている。 流石に満席ではないものの、同じ服装を見に纏った男性たちがそこに座っていた。 私達が入ってきた事にも気づいていない。 中には身を乗り出して見下ろす者もいて、その熱狂的さが窺える。 ───なるほど、模擬闘技場か。 地下にこんな施設がある事自体は驚きだったが、〝実際の戦闘を想定した訓練〟と考えるとすんなりと納得した。 クライシュに続いて、空いている前の席へと座る。 手すりに手をかけて見下ろすと、1人の男性が猪のような魔物と戦っていた。 猪、と言っても、地球のソレよりふたまわり以上も大きい。成人男性2人分の身長を超えている。 ──そして、何よりも目を引くのは巨大な牙。 「うわぁ・・・・・あの人大丈夫かな」 ボソッと呟いた声に、クライシュがニコニコと笑う。心配は微塵もしていないらしい。 「大丈夫っすよ! あの魔物は召喚師によって呼び出されたものっすから」 召喚師、と無意識に口が動く。 ───となると、魔物を召喚して戦わせているという事か。
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