16.出会い

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──────────────────── 大きな窓から朝日が差し込む── 山積みの書類を処理するウェルバートの前で、私は仁王立ちで抗議していた。壁際には、ノノとクライシュが待機している。 「───流石にアレは〝やり過ぎ〟というものですよね、皇帝様?」 「そうか? あれくらい対処出来ないと、飼う価値がないと思うが」 そうしれっと言い返すのは、あの出来事の本当の(・・・)黒幕である。 ──闘技場で意識を失った後、すぐにクライシュは来た。そこで、倒れている私を見つけ部屋に運んだ後、騎士団員たちに事情を聞いたという。 損傷はあるものの、不思議な事に鎮火はされていたらしい。もしかしたら、意識を失えば本当に消えるのかもしれない。 避難した騎士団員とばったり出会うクライシュ。ただ事ではない様子に、珍しくクライシュも焦った。 そうして、クライシュは何が起きていたのかを知る。──おまけにノノの勘違いも。 〝あの魔物の相手は副団長であるクライシュ〟 ノノはそう記憶していた──が、勿論そんなことは話していない。 やはり、この一件もノノのおっちょこちょいが原因──初めは全員そう思っていた。 が、その予測はノノの発言によって崩される事となる。 『え? それ、ウェルバート様から言われたんだけど・・・・・』 あの事件の当日、ウェルバートに呼び出されていなかった(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ノノは、キョトンとした顔で言った。 相手はクライシュだから遠慮しなくてもいい、と。 だからゴブリンじゃなくてもいい、と── その結果がアレ(・・)だった。 遠慮しなくていい──その言葉に従ったノノが召喚したのは、秘蔵中の秘蔵であるSランクの魔物。 ──召喚出来る魔物の中では、最高ランクの魔物。
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