19.戦力強化週間

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「おかえりなさいませ」 「・・・・・う、うん。ただいま」 相変わらずの無表情。彼女はあの日から毎日、私の自室の前に立っていた。 何を考えているのだろうか──と常々思うが、その表情からは読み取る事が出来ない。特に何をするわけでもなく、ただ観察するように私を見てくるだけだ。 それでも敵意云々は無く、名前を聞いた時も素直に教えてくれた。 ファーファラ=ディアン、という名前らしい。因みに独身女性である。 「お夕食の際はお呼びいたしますので」 「ありがとう、ファーファラさん」 「・・・・・、いえ、これも仕事の内ですので」 どうぞ、と扉が開かれ、私1人だけが中へと入る。付いてこない影に、「あれ、クライシュはいいの?」と思わず聞いた。 ───監視役だったフィウストは、迷いなく入ってきたんだけど・・・・・ キョトンとした現監視役にその事を伝えると、突然ぶっと吹き出した。 「ちょ、冗談キツいっすよ!!」 と肩を震わせ、必死に笑いを堪えるクライシュ。 くくく、と破顔したその顔は、普段見せている笑顔とは全く違う。 ──本当に笑っている笑顔だ。 「フィーさんが? 本当に?」 「うん、ナチュラルにいたけど・・・・・」 「うっわあ・・・・・いやぁ~フィーさんって実は〝むっつり〟だったんすねぇ・・・・・!!幼いとはいえ、異性の部屋(プライベート)に入っていくなんて」 「あはは・・・・・」 「まー、俺はむっつりな(・・・・・)フィーさんとは違うんで、プライベートは立ち入らないっすよ」 クライシュの笑いが、ようやく収まった。何故か、「これでまた弄れるネタが増えたっす!」と喜んでいる。
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