19.戦力強化週間

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───まただ。また、同じだ。 『忌々しい化け物めッ!! さっさとくたばりやがれ!!』 『嗚呼、恐ろしい・・・・・あの時殺しておくべきだったのよ』 『我が一族の汚点だな』 ああ、痛い。凄く痛いよ、誰も助けてくれないの? ───こんなにも痛いのに、誰も? 『能力封じの魔法、忘れるなよ。いつ暴走するかもわかりゃしねぇんだからな』 『ったく、さっさと死んじまえばいいのにな』 『そう言うなよ──死にたくても、無理(・・)なんだから』 『ちっ、めんどくせぇ』 私は何もしていないのに。・・・・・なんで、こんなことばかり。 皆・・・・・皆怖いや。 お願い。睨まないで、殴らないで。私、何もしないから。 『うわっ、こっち見てやがる。やべー・・・・・うつったらどうしよう』 『や、止めろよ。んな笑えねー冗談・・・・・気味わりぃって。てか、なりたくねー・・・・・』 『さっさと終わらして帰ろーぜ。早く狩り行きてーし』 待って、待ってよ。私も・・・・・私も帰りたいのに。 お母さんに会いたいのに─── ・・・・・必死に伸ばした手は届かなくて。 『お母さ、』 『──あら、忘れたの? ・・・・・お母さんは、ずっとここにいるじゃない』 そう言って傍で微笑んでいたのは、誰だったっけ・・・・・─── 「───起きて下さいっす!!」 「のわっ!?」 耳元に突然の大声。思い切り飛び上がった私は、横で心配そうに頬杖をつくクライシュを見た。 ──あれ、今意識失ってた・・・・・? びっしょりとベタつく寝汗が気持ち悪い。 それに、相当な悪夢でも見たのか、とでも思うほどバグバクと心臓が煩く跳ねていた。 何か嫌な夢を見ていた気もするが、何故だか思い出せない。
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