19.戦力強化週間

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「明後日来る客人の前でショーを行え」 目を見開いた。 「───それだけ、ですか?」 「・・・・・なんだ、物足りないのか?」 ならもっと厳しい仕事に変えよう、とほざくウェルバートに、いえ滅相もない、と必死な身振りで断る。 気でも変えられたりしたら堪らない。 ───・・・・・それにしても。 意外だ、と私はウェルバートの見えない位置で口を押さえた。謎の感動で僅かに手が震えている。 ──何か裏があるんじゃないか、とも思ったが、客人にショーを披露するだけなら、何かを仕掛けるなんて事は出来まい。 ───・・・・・でも、怪しいんだよなぁ。いや単に、私が疑い過ぎなのか・・・・・? もしかしたら、本当にそれだけの仕事なのかもしれない。ウェルバートにだって良心の欠片くらいはあるだろう。 そうだな、人を疑うのはよくないな、うんうん──と、半ば無理やり納得した私は、ぱあぁっと満面の笑みを浮かべた。 「喜んでお受けします!!」 「そうか、それは良かった」 ニッコリと柔らかい笑みのウェルバート。 冷たかった瞳が僅かに暖かくなるのを感じて、疑う気持ちもいつの間にか消えてゆく。 ウェルバートの性格を、ほんの少しだけ(・・・・・・・)だが見直した。普通な所もあるんだな、と。 しかし、それは間違いで。 ───その時はなんとも思わなかったが、その笑みにはやはり裏があったと気づいたのは、実際に客人と出会った時だった。 前言撤回。やっぱりウェルバートは意地悪です。
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