21.白の魔女

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「・・・・・、ベル君、魔法苦手なの?」 「・・・・・魔法じゃねぇ、魔法『学』が苦手なんだ」 「あー・・・・・」 ───こっちも本能型だったか。 魔法はルーシュ同様に得意そうな様子だが、知識系はそこまで得意ではないらしい。眉をひそめながらも、何とか覚えようと〝型〟を睨んでいる。 それを微笑んで見ているルーシュ。こちらの視線に気づくと、にっこりとウェルバート似(・・・・・・・)の笑顔を見せてくれた。 何見てんの──という事ですか。そうですか。 「・・・・・とりあえず、魔法語辞典貸しとくね」 そう言うと、はい、と分厚い本を笑顔で手渡される。広辞苑並の本だ。 「いいの?」 「今は学園も休みだしね、暫く使っていても構わないよ」 紅い月の日の2週間前から、学園もお休み期間になるらしい。紅い月光による魔物の凶暴化を警戒してのことなので、その翌日からが通常授業だと言う。 それで、よく城にいるのを見かけたわけか。 私がルーシュから魔法語辞典を貰うのを見て、ロレンシオも懐から何かを取り出した。 「・・・・・なら、これも・・・・・必要」 小さなガラス容器に、何やら黒い液体が半分ほど入っている。正面のラベルには、魔法陣の模様が描かれていた。
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