21.白の魔女

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結局また、思考の迷路に閉じ込められたような気がして、若干の諦めと共に次のページへと進む。 期待すらしなかったそのページだったが、『追記』という二文字を見て手が止まる。 ───そこに書かれていた文章。 〝体内に黒い魔素を持つ突然変異種が見つかる。その特徴以外は殆ど希少種と同じ、但し魔法は使えない模様〟 〝その数年後、希少魔族が姿を隠す。全く確認出来なくなった〟 〝その翌年に謎の絶滅を確認。突然変異種を含め、希少魔族は消えた〟 「・・・・・突然変異種・・・・・謎の、絶滅」 震えて零れ落ちる声。無意識に本を掴む手に力が入る。思いがけない情報に頭がクラクラした。 ───・・・・・つまり、あの時の黒い魔素は突然変異種のもので、私は・・・・・何だ(・・)? 相変わらず私の体内で大量に巡る黒、それを初めて心から『怖い』などと思ってしまった。 ───何故、絶滅したはずの希少魔族がいるのか。そして何故、私は突然変異種に変わってしまった(・・・・・・・・)のか。 そもそも何故、私は転生した(・・・・)のか。 ───何一つ知らない。知る術すら知らない。 「・・・・・・・・」 パタン─── 長い余韻を残して本が閉じられる。手の震えは既に収まっていた。
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