21.白の魔女

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「・・・・・まあ。ふふふっ、お仲間(・・・)だなんて珍しいですわね。お会いできて嬉しいですわ」 彼女を埋め尽くすように存在している魔素は───黒色。 それに、彼女が放った言葉は。 「───なか、ま?」 「ああ、これは秘密ですのね! 失礼しましたわ、こちらの話ですの」 ふふ、と何が面白いのか、彼女は口に手を当てて笑う。綻ばせた顔は、やはり美しい。 だが、場の雰囲気は和みはしない。二人とも険しい顔で、じっと女性を見据えている。 硬い声でクライシュが問いかけた。 「・・・・・何者なんすか、あんた」 あら、と頬に手を添える女性。まるで、この険悪な雰囲気に気づいていないかのように、にこやかに答える。 「これは申し遅れましたわ。私の名前はアリス=モードレッド、ここの王宮魔術師総長──グラーフ=オルディオ氏に招待されましたの」 そのアメジスト色の瞳が楽しそうに細められた。ドレープ状になったドレスの裾を揺らしながら、軽く手を合わせて喜ぶ。 怪訝そうにクライシュは反応した。 「・・・・・、グラーフさんの? ファーファラさんは聞いてるんすか?」 「・・・・・ええ、一応は」 無表情で頷く。事前にこのことは知っていた(・・・・・)───そもそも、その様子を隠れて見ていたのだから、当然と言えば当然である。
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