21.白の魔女

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「・・・・・、いえ黒い魔素を取り込んだら、いつの間にか・・・・・」 アリスの表情がここで初めて変わった。不思議そうに首を傾げる。 「───取り込む? それはどのような方法で行ったんですの?」 一瞬、私の中で焦りが生まれた。これは失言だったのかもしれない。 そうなると・・・・・魔素を取り込むことは、不可能なのか? 目を泳がせながらも、何とか声を絞り出す。 「・・・・・えっと、それが普通に動かしただけで」 「動かし、た・・・・・それは本当に?」 見開かれたアリスの瞳。 ガタッとアリスが立ち上がり、驚愕の表情で身を乗り出した。 ───・・・・・もはや上品さの欠けらも無い行動だ。むしろ私が驚いてしまう。 何やら考え込んでいたようだが、もしかして、と不意にアリスが呟いた。 「───空気中の魔素が操れるんですの?」 「はい、それが何か・・・・・」 それは当たり前に思っていたことだ。希少魔族なら、全ての魔素を操れる、と。 ───その時、はたと気づいた。 それは、純粋な(・・・)希少魔族の場合のみなのではなかろうか。 そうなると私は、要らぬ発言をしてしまった(・・・・・・・・・・・・)のでは。───それも、敵となる者に。
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