21.白の魔女

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宜しかったらおひとついかが、と手渡されたのは、シンプルなチェーンブレスレット。 見た目はただのアクセサリー・・・・・だが、それには黒い魔素が付与されていた。 ───とても禍々しい黒。 これは何だろうか、とアリスを見ると笑顔で答えが返ってきた。 「付けた生き物を自分の奴隷に出来るブレスレットですわ。これは人間用(・・・)で、効果は一週間ほど。───可愛い可愛いワンコのように従順になりますのよ」 「・・・・・奴隷、に」 「ええ、創造主様の血を引く私の黒い魔素は、『傀儡(マリオネット)』の力を持っていますの」 人間の奴隷化を、当たり前のように語る彼女。 台詞とは裏腹に優しく微笑むアリスを見て、喉がごくりと鳴る。僅かにできた動揺を悟らせないように、震える手を押さえた。 ───彼女はどこかおかしい(・・・・)・・・・・!! 人間用と言うのだから、当然他の用途もあるはず。もしかしたら、魔族用だって─── お礼を言うのが精一杯。ゆっくりブレスレットを内ポケットにしまって、ようやく安堵のため息が漏れる。 ・・・・・どうやら私たちの敵は、想像以上にとんでもない(イカれている)らしい。 ───冷静になって、すぐさま気になったのは彼女の発言だった。 ・・・・・黒い魔素に『力』がある、と。確かに彼女はそう言ったんだ。創造主様の血を引いているから、とも。 私はその発言から推測する。 ───ならば、突然変異種の血を引いている者は、何かしらの特別な付与効果を持っているのではないか?
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