21.白の魔女

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弾けてドーム状へと形を変えるソレは、私たちを包み込むようにして落ちてくる。 やがて周りを全て覆い隠した時、アリスが笑顔を咲かせた。 「───さあ、これでもう安心ですわ」 「・・・・・、ありがとうございます」 不自然だった白い魔素はもう見えない。黒色しか見えないのだ。 この部屋を覆うように囲んでいた白い魔素───あれはいったい誰のだったのだろうか。 ───確かなのは、その選択が二択に絞られること。 「───どうかなさいました?」 「いえ・・・・・」 私は目の前にゆったりと座るアリスを見る。 ・・・・・何か魔法が使われていたのは間違いない。そして、アリスがそれを防いでくれたのだろう。 そんな彼女が敵なのもまた事実。 その姿はどこまでも人間臭いが、その正体はイカれた(・・・・)魔族なのだ。 ───しかも、突然変異種の血を引くというおまけ付き。 流石にこんな所で襲う──なんて、感情任せの馬鹿げた行為はしない。 少なくとも、向こう側が友好的である今は。 もう時間ですわ、と立ち上がったアリス。私はそれに続いた。ニッコリと表面上の笑みを浮かべる。 「本当にありがとうございます。こんな素敵なものを・・・・・」 「いえいえ、宜しければまたご利用下さいませ。同族の方の活動は、応援するのが普通ですもの───特別に割引致しますわ」 「あはは、それはどうも・・・・・」 これ程嬉しくない割引きも珍しい。 ・・・・・今度、表向きのお店だけ利用させてもらおう。
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