22.お披露目会

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ふむ、と私は腕を組む。少々、この〝魔法陣〟について思う所があるのだ。 「魔物の皮等の媒介か・・・・・」 恐らく、魔法陣というものは使い捨ての魔法のようなものなのだろう。となると、魔法一つの為に大変な手間と時間がかかってしまう。 魔法語を書くのは仕方ないとして───魔物の皮をいちいち調達する所が気に入らない。一つの効果の為に、狩らなくてはいけないのかと。 そこで私は思った。 ───もしかしたら物体ではない・・・・・そう、魔素のようなものでも媒介になるのでは? 丈夫な魔物の皮にも、魔物の魔素は含まれている。そこに魔法語を書き込めば魔法陣となり、魔力を流せば発動する。 そこで、魔素に直接(・・)書き込み魔力を流せば、媒介が物体の場合と同じように発動するのではないか───そう考えたわけだ。 ただ、空気中で魔素入りインクは使えない。 ───そこで、だ。 ・・・・・魔力で書けば(・・・・・・)いいんじゃないか? 自然と口角が上がる。にやりと私はほくそ笑んだ。 「───これは見ものだな」 恐らく、空気中の魔素を操ることが出来る希少魔族だけが為せる裏ワザ。もし成功したのなら、戦闘以外にも様々な応用が利く。
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