5934人が本棚に入れています
本棚に追加
ふむ、と私は腕を組む。少々、この〝魔法陣〟について思う所があるのだ。
「魔物の皮等の媒介か・・・・・」
恐らく、魔法陣というものは使い捨ての魔法のようなものなのだろう。となると、魔法一つの為に大変な手間と時間がかかってしまう。
魔法語を書くのは仕方ないとして───魔物の皮をいちいち調達する所が気に入らない。一つの効果の為に、狩らなくてはいけないのかと。
そこで私は思った。
───もしかしたら物体ではない・・・・・そう、魔素のようなものでも媒介になるのでは?
丈夫な魔物の皮にも、魔物の魔素は含まれている。そこに魔法語を書き込めば魔法陣となり、魔力を流せば発動する。
そこで、魔素に直接書き込み魔力を流せば、媒介が物体の場合と同じように発動するのではないか───そう考えたわけだ。
ただ、空気中で魔素入りインクは使えない。
───そこで、だ。
・・・・・魔力で書けばいいんじゃないか?
自然と口角が上がる。にやりと私はほくそ笑んだ。
「───これは見ものだな」
恐らく、空気中の魔素を操ることが出来る希少魔族だけが為せる裏ワザ。もし成功したのなら、戦闘以外にも様々な応用が利く。
最初のコメントを投稿しよう!