22.お披露目会

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魔法陣を練習して数十時間。 ようやく完成に満足したその時、その日は迎えた───・・・・・ 「───こちらです、コウ様」 初の仕事当日。私は、相変わらずの塩対応であるファーファラに案内され、大広間へとやって来ていた。 クライシュが言うには、今回は客人とウェルバート、それから側近数名のみに見せるためのものらしい。 ・・・・・つまりは、大臣もアリスという大臣の客人もいないと言う。 ───・・・・・こっちの方が気が楽だな。大勢は息が詰まってしまう。 偶然か、それとも誰かの計らいか・・・・・それはわからないが、有難いものだ。 「お待たせいたしました」 流れる動作で私は中央へと進み出る。顔を上げた先には、立派なソファーに腰掛けるウェルバートと、その横で同じように座っている女性。 くすんだ桃の長髪は先が緩やかに巻かれ、垂れた朱色の瞳がこちらを窺っている。 まだ若い。───ウェルバートと同い年くらいだ。 「随分遅かったな。・・・・・まあいい、彼女の名はフレデリカ=ツォーレン。───またの名を〝銀朱の守人〟と言う」 「・・・・・・・・」 紹介された彼女は、何故か私を見て固まっている。若干頬を赤くしているフレデリカに、おい、とウェルバートが肩に手を置いた。 途端に跳ねる身体。 目を爛々と輝かせた彼女は、ガタンと興奮して立ち上がる。 「───ロリっ!! ロリだわ!!」 その美しい声で叫ばれた言葉に、私は悪寒を覚えた。 ・・・・・嫌な予感しかしないのは何故だろう。
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