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その視線にくっと笑うウェルバート。忘れていた、と椅子に肘をつく。
「フレデリカは、昔から幼女趣味なんだ。諦めてくれ」
その嘲笑するような笑みを見れば、途端に蘇る先日の記憶。
あのウェルバートが、単純な仕事を頼むわけがない。裏があるとは思っていたが・・・・・───そういうことだったのか。
ロリコンだと知っていて接待の仕事を任せた、というわけか。
分かってはいたが、ふつふつと遣る瀬無い気持ちが湧き上がってくる。造形物のような美しい顔も、今は悪戯者の悪魔にしか見えない。
「・・・・・こんの、悪魔め・・・・・!!」
憎々しげに小さく呟いた言葉も、ウェルバートの爽やかな笑顔で軽く流される。せいぜい頑張ってくれ、とでも言いそうな笑顔だ。
「───さて、フレデリカ。そろそろ彼女を離してやってくれ、ショーが見れないだろう?」
面白がるようなその声に、フレデリカは私の首元に埋めていた顔を上げた。そして、直ぐに離れるかと思いきや───
「嫌よ」
「ふぐっ!?」
そう言い放った彼女は更に力を込め、柔らかな胸を私の顔に押し付けてくる。いきなりの事で、息が苦しくなってしまった。
・・・・・男だったら嘸かし羨ましい光景に見えることだろう。・・・・・男だったらな。
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