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「・・・・・なによ、これ・・・・・」
たかが幼女によるショー。お遊戯のような踊りでもやってくれるのかと、フレデリカは思っていた。
それが、なんだ。───実際に見せられたのは、常人離れした技だった。
少女が何か仕掛けをした時間はない。少女の魔力は若干感じたが、辺りに散ったまま動いていない。
・・・・・それに、知っている詠唱などは聞こえなかった。
───突然、ソレは現れたのだ。
立ち上がったまま驚きを隠せないフレデリカに、ウェルバートが「どうだ?」と肘をつき見上げる。
「どうだ? ───じゃないわよ!! 何で貴方はいつもそう余裕そうなのかしら!?」
「そりゃあ、このカラクリに見当がついているからな」
フレデリカの目がぱっと輝いた。
「本当に!?」
「クライシュのおかげだがな。・・・・・常識が通用しないものだ、コレは。───言っておくが、教えないからな」
「・・・・・、けち」
期待で目をキラキラさせていたフレデリカだったが、その言葉で口を尖らした。
ちぇ、と態とらしい舌打ちで、どっかりとソファーに座る。
「・・・・・本当凄いわねぇ、魔素の気配はあるけど魔力の気配は全くないわ。一体、何で構成されているのかしら?」
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