23.創作魔法陣

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常識に囚われているフレデリカでは、魔素でできている、とは到底考えつかないだろう。 ずっと不思議そうな顔で、宙の竜を睨んでいる。 そこで一区切りついたとみて、私は再び声を張り上げた。 「───では、次に星空をお見せ致しましょう」 そう言って、後ろに控えているクライシュに目配せをする。───クライシュが頷いた。 どこかへ向かうのを確認してから私は、キョトンとするフレデリカに向けて説明する。 「ショーの演出の関係上、一時照明が消えますが、ご了承ください」 「あら、そうなの。ふふ・・・・・楽しみだわ」 さすがにウェルバートには事前に許可を取ってある。黙って消した、となっては何をされるやら。 ・・・・・しかし、言ったのは演出上の為、とだけ。内容は話していない。それは見てからのお楽しみだ。 ぱっと魔法仕掛けの照明が消え、大広間が闇に包まれた。お互いの顔が見えるか見えないか程度である。 「では、天井付近をご覧下さい」 手で指し示して視線を誘導すると、それぞれの顔が上がった。・・・・・その先には氷の竜、そして、私が発した僅かな黒い魔力により。 ───数個の魔法陣が、今、発動した。
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