23.創作魔法陣

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「・・・・・まあ」 フレデリカが驚きの声を漏らした。 天井付近に浮かぶのは、所謂火の玉と呼ばれるもの。それが揺らめき、氷の竜の肌に青白い光を反射させる。 しかし、これで終わりではない。 私は火の玉に目を取られている二人を確認し、上に向けて手を伸ばした。 「魔法陣、展開」 その言葉を口にした瞬間手から魔力が伝わり、事前に設置しておいた(・・・・・・・・・・)魔法陣が発動する。 暗闇に散りばめられているのは、直径2cm程の魔法陣。 ───小さな光となっているそれが、瞬間、弾け飛んだ。 「・・・・・ほう、なかなかのものだな」 これにはずっと黙っていたウェルバートでさえも、感嘆のため息をついた。 フレデリカや後に控えていたフィウスト、それにクライシュも同じように目の前の光景に見惚れる。 ───それは正しく満点の星空のような。 クリスタルを思わせる輝きを持つ竜の頭上には光が弾ける夜空、そして周りを照らすのは青白い炎。 「《解》」 最後に存在感を放つ氷竜を細かく分解すれば、キラキラと氷の破片が宙に舞う。 ようやく全ての仕掛けを終えた頃には、フレデリカは思わず立ち上がっていた。 放心したように呟くフレデリカ。 「・・・・・凄い、凄いわ」 「楽しんでいただけて何よりです」 ぺこりと小さくお辞儀をして、二人を見上げる。ウェルバートが、珍しく不思議そうな表情で聞いた。 「───あれは魔法か?」 「さあ、どうでしょう」 魔法と言えば魔法の分類には入るが、魔法陣だとは思いつきもしないだろう。
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