24.疑惑

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「・・・・・っ良くないわよ、そんなの。でも、そうするしか・・・・・いつ、あの子が反旗を翻すかわからないのよ!?」 「ああ、そうだな」 「貴方はいつもそうやって!! 大体、いつどこから来たのよ!! 記録はどこに・・・・・」 「ない」 ただ一言。 取り乱すフレデリカに対し、ウェルバートは落ち着いた態度で返す。 一瞬、フレデリカの動きが止まった。カタン、と下げられた椅子が鳴る。 「ない・・・・・ですって?」 「ああ、城門を通った記録は無かった」 「城門を通らないでどこから入るのよ!? あんな高い壁、それに巫女姫様の結界だって・・・・・」 信じられない、とウェルバートを見る。それでも、ウェルバートは表情一つ動かさない。 ───ランバディア帝国は四方八方森に囲まれている事もあり、高く頑丈な壁で周りを囲っている。入り口は四方の城門のみで、旅人や商人は必ずそこを通り、身分証等で記録を残すのだ。 その為、門には必ず複数人の門番がいる。・・・・・しかし、それだけでは警備が手薄になるのも事実。 それ故に、壁とは別に『巫女姫たち』が張る結界というものがある。 魔力が高い家系の女子が代々行うものであり、その結界によって外からの侵入者はすぐに感知されるものなのだが─── 「巫女姫様に気づかれずに入るなんて、そんな・・・・・」 「お前もわかっただろう? ───下手に手が出せない理由が。飼い慣らすしかない(・・・・・・・・・)」 フレデリカがウェルバートを軽く睨む。その台詞が本心ではないことを、フレデリカは長年の付き合いから悟っていた。
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