24.疑惑

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「あの子の噂を牽制として他国や冒険者に広めるのかしら?───それとも、私に何かさせるつもりなのかしら?」 あの(・・)ウェルバートがわざわざ見せてきたのだから、それなりの理由はあるのだろう。 どうだ、と満足げに推論を言い切ったフレデリカが見たのは、深々とわざとらしいため息をつくウェルバートの姿だった。 考えすぎだ、と顔を顰めて息を吐く。 「───別に俺は、お前に何かをやらせようとはしていない。ただ、相手が幼女ならマイナスになる行動はしないだろう?」 「・・・・・、確かにそうね。相手があんな可愛い子じゃあ、酷いことはできないわ。それに大人びているけど、力以外は本当の子供みたいだし」 「・・・・・今のところは、何も問題起きていない。正体に関しては少々気になる所はあるがな」 「気になる所?」 紅茶を飲みながら、フレデリカが聞く。横に座るウェルバートの表情には、若干の不安が見えていた。 ティーカップをテーブルに置き、フレデリカに言葉を返す。 「───母親らしき人物がいない。それどころか、家も親戚自体もないようだ。・・・・・本当に、突然街中に現れた、としか言えない」 「・・・・・つまり?」 「人間かどうかも怪しい、ということだ」
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