24.疑惑

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結局、心の中の葛藤は好奇心が勝ち、恐る恐る「・・・・・どんな?」と聞いてしまった。 返ってきたのは、聞き慣れない新しい単語。 「〝変異種〟がいるらしい」 「へんい、しゅ? ───変異種、ですって?」 まるで言葉を知らない赤子のように、フレデリカはその単語を反芻する。まともな言葉にするのに少し時間がかかってしまった。 「・・・・・何よ、それ」 「恐らく、変異体が子を産み種族となった───」 「そんなことはわかってるわよ!! そうじゃなくて、希少種族の変異種って・・・・・」 「言っておくが、嘘はついていない」 生物の変化。それは、基本環境に適応するべく身体を変化させる・・・・・つまり、より適応力と力のある種となることだ。 普通種が変異体になるだけでも、相当なランク差(・・・・)がある。───それが希少種ともなれば、どうなるだろうか。 フレデリカは絶句した。想像もしたくない。 「・・・・・そんなこと」 ありえるの? と続けそうになって、言葉を飲み込む。 こんな事で彼は嘘をつかない。それにその本だって、信憑性は低くとも嘘を書く利点はない。 そうなると、結論は一つだけ。 「・・・・・、俺も出来れば信じたくはないんだがな」 「ええ、私もよ。・・・・・貴方と同じ意見っていうのは気に入らないけど」 「・・・・・どういう意味だ」 「あら、そのままよ」
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