25.相対

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その言葉を聞いた瞬間、私は跳ねるように顔を上げた。ばっちりアリスと目が合う。 「・・・・・その竜はどこに」 「さあ? 知りませんわね。見かけただけですわ───それに、私は別の拾い物(・・・・・)をしましたの」 「拾い物・・・・・?」 艶めいた笑みを見て、眉をひそめた。───何故か寒気がする。 ごくり、と唾を飲み込んだ。 「・・・・・、ええ。とっても美しい人形(・・)ですわ。今、家にいますのよ。黒髪で金目の───」 「黒髪で金目・・・・・の」 その言葉は、私の中で冷たく響いた。どくん、とやけに大きな鼓動が身体を震わせる。 ───その言葉を聞いて、脳裏に浮かんだのは1人だけ。 そう、私を送り一人あの森に残った・・・・・。 ぱちりぱちりと、頭の中でパズルのピースが当てはまっていく音がする。 森、首の痛み、人形、腕輪───〝奴隷〟 ───パチン 「・・・・・!!」 一際大きな音をたて、ソレは繋がった───。
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