25.相対

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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「もうっ、少しくらい教えてくれてもいいのに」 だから、際限なく敵を作るのよ。全く・・・・・。 ウェルバートへの不満をグチグチと呟きながら、長い廊下をフレデリカは歩く。目的地は中庭の先にある闘技場である。 それにしても、闘技場の結界が壊れたという連絡が来たのには驚いた。毎日使われるとはいえ定期的に直していたし、上位結界だから暫くはもつだろうと安心していたのだが。 「・・・・・完全に想定外の出来事だわ」 こうもあっさり壊されると、何だかやるせない気持ちにもなってくる。しかし相手は幼女だ、流石に怒りは沸き上がらない。 世界中の幼女は、誰がなんと言おうと〝正義〟・・・・・それが、フレデリカの信念である。 先程のウェルバートとの会話で、彼女が希少魔族という可能性も浮上してきたが・・・・・幼女は幼女、フレデリカにとっては最も(・・)愛すべき存在だ。 殺したいとも思わないし、殺そうとも思わない。 くりくりの紅い瞳、幼い故の小さな身体、ふにふにと柔らかい白い肌───思い出すだけで、きゅんと胸の奥が高鳴る。 もちろん、フレデリカも成人した女性。あんなことやそんなこと・・・・・色々したい(・・・)ことはあるのだが。 「・・・・・まあ、それはおいおいするとして・・・・・。まずは結界の修理ね」 闘技場へ行くには、一度中庭を通らなければいけない。フレデリカの足は迷いなく出口へと向かう。 ───と、突然何かにぶつかった。
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