27.漆黒

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室内で戦闘なんて冗談じゃない。しかも、ここには高価な調度品、さらには玉座まであるのだ。 ・・・・・こんな幼い時から借金まみれとか笑えない、本当に。 ファーファラが動き出す前に、私は慌てて横に両手を小さく上げる。所謂、降参のポーズだ。 通じないかと思われたが、幸いなことにファーファラの動きは止まった。その隙を逃さず制止の声をあげる。 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!?」 「・・・・・異論があるのでしたら、戦闘後にお聞き致しますが」 「それは意味ないと思いますファーファラさん」 絶対聞く気ないだろ、この人。 戦闘に対しての異論なのに、その後に聞いてもらっても困る。そもそも、無力化された状態でどう異を唱えろと? 「そうではなくてですね・・・・・」 ここは戦いの場としては不適切だということ、私には戦う意思がないこと、無力化しなくとももう何もしないこと、そもそも幼女に手をあげていいのか云々をファーファラに説明する。 半信半疑の顔で黙って聞いている彼女だが、ここで信じてもらわなければ困るのだ。
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