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全てを聞き終えたファーファラは、表情をピクリとも変えずに言う。
「・・・・・なるほど、つまり戦闘は避けたいと」
あまりの反応のなさに、自然と私の声にも力がこもり早口になる。
「いやほんと、そんな事を言える立場ではないのは重々承知しておりますが何卒・・・・・。私としてもですね、ここで騒ぎを起こすと今後に影響が出まして少々まずいことに───」
やはりこの提案は少し強引過ぎたか、と私が目を逸らした時。
「わかりました」
「え?」
「ウェルバート様がお戻りになり、ご判断をお聞き致します。それまでコウ様が自室で大人しくしている間、私は手を出さないことをお約束致しましょう」
いともあっさりとファーファラが決断する。そして、すんなり武器をしまった彼女を、私は二度見してしまった。
「え、いいんですか」
「何かご不満でも? ・・・・・貴方の提案でしょう?」
「それはまあ、そうですけど・・・・・なんか、凄くあっさりしているなぁーって・・・・・」
「───なら、取り消しますか?」
「いえいえ滅相もございません!!」
今までに出会った人とは違い、あまりにもすぐに引いてくれたので疑ってしまった。
少し不機嫌そうに眉を八の字に曲げたファーファラに対し、私は手をブンブン振る。
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