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部屋に入った瞬間、私は一瞬固まってしまった。
「・・・・・ん?」
続いて湧き上がる困惑と戸惑いが隠せない。
ゴシゴシと目を擦り、思わず二度見してしまう・・・・・が、当然その景色が変わることは無い。
ベットの上で見知らぬ青年が寝ている───?
もう一度見てみる。・・・・・見間違いであって欲しかったが、残念ながら見間違いではないようだ。
「・・・・・え?」
───部屋を間違えた? ・・・・・いや、それはない。間違えていたら、ファーファラが教えてくれるはず。
と、いうことは。
───侵入者かっ!!
その事を理解した時、私は咄嗟にソファーの影に隠れた。小さく背中を丸めながら、この状況に軽くパニックになる。
───ちょっ、ちょっと待て。まずあれは誰だ?
貴族からは程遠いラフな格好からして、明らかに城の者ではない。かと言って、庶民が城の中にそう易々と入れるだろうか。
もしかしなくても、それは無理だろう。そもそも、だ。
「・・・・・どうやって入ってきたんだろ、あの人」
勿論、城内は厳重な警備が徹底されている。このように、一般人が簡単に入られてしまっては困るのだ。
・・・・・一般人ではないのかもしれない。というか、ファーファラが気づいていない時点で、一般人じゃないだろう。
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