27.漆黒

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部屋に入った瞬間、私は一瞬固まってしまった。 「・・・・・ん?」 続いて湧き上がる困惑と戸惑いが隠せない。 ゴシゴシと目を擦り、思わず二度見してしまう・・・・・が、当然その景色が変わることは無い。 ベットの上で見知らぬ青年が寝ている───? もう一度見てみる。・・・・・見間違いであって欲しかったが、残念ながら見間違いではないようだ。 「・・・・・え?」 ───部屋を間違えた? ・・・・・いや、それはない。間違えていたら、ファーファラが教えてくれるはず。 と、いうことは。 ───侵入者かっ!! その事を理解した時、私は咄嗟にソファーの影に隠れた。小さく背中を丸めながら、この状況に軽くパニックになる。 ───ちょっ、ちょっと待て。まずあれは誰だ? 貴族からは程遠いラフな格好からして、明らかに城の者ではない。かと言って、庶民が城の中にそう易々と入れるだろうか。 もしかしなくても、それは無理だろう。そもそも、だ。 「・・・・・どうやって入ってきたんだろ、あの人」 勿論、城内は厳重な警備が徹底されている。このように、一般人が簡単に入られてしまっては困るのだ。 ・・・・・一般人ではないのかもしれない。というか、ファーファラが気づいていない時点で、一般人じゃないだろう。
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