5934人が本棚に入れています
本棚に追加
/387ページ
───・・・・・はずなんだよなぁ。
どうにも嫌な予感がしてならない。・・・・・それは確証がないからかもしれないが。
まあ、気づかれたところで何の問題もない。元々、ここは私にあてがわれた部屋。明らかに非があるのはあちら様だ、文句は言わせない。
さあ見せてもらおうか、緩みきっているであろうその寝顔を!!
ごくりと唾を飲み込み、隠れやすいように低い姿勢へ。忍者さながら、物に身を隠しながら息を潜めて前進する。
「・・・・・・・・」
子供故の視点の低さはもう慣れはしたものの、更に低くなる四つん這いとなると、自分が小人になったのではないかと錯覚しそうだ。
歩みは小さくとも確実に。そうして、ようやく窓側までやって来た。
そこで改めて知る。
ベッドが高い、と。
───・・・・・だからか、だからなのか。あんなにふかふかなのは。
ここが、どの高級ホテルよりもいいものを使っていることを失念していた。
これでは、無駄に手触りの良さそうなシーツ部分しか見えない。
ベッドメイキングされた綺麗なシーツなんて、もう吐くほど見ている。今更需要はない。
「・・・・・む」
私は一旦足を止め、その場で考える。
侵入者の顔を見るには、ベッドに身を寄せ膝立ちで覗き込む───残念ながら、この方法しかない。
・・・・・リスクが高まるのは、ひっじょーに残念ではあるが。
最初のコメントを投稿しよう!