28.アフタヌーンティー

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ハート草も問題なく食べることが出来たことから、毒に対しての心配はあまりしていない。 だが、他となると話は別だ。警戒するのも当然だろう。 でも、と私は目の前の誘惑に視点を合わせる。 ここで食べることが出来なかったら、次の機会は無いかもしれない。・・・・・もしかしたら、一生。 そこまで考えて、遂に心が折れた。 「・・・・・食べる」 渋々と小声で言えば、待ってましたと言わんばかりの笑顔でチョコレートを差し出すイサ。それを私は両手で受け取る。 ───貰ってしまった・・・・・ 両手の中に収まる小さなチョコレートを前に、口元が引き攣った。手に感じる微かな筈の重みが、不思議とずっしりとした重みに感じてしまう。 受け取っても尚チョコレートと睨めっこしている私を前に、不思議そうにイサがその顔を覗き込んだ。 「───食べないの?」 「ひゃっ」 至近距離での囁きに、心臓が飛び跳ねた。思わず出てしまった変な声を、ゴホゴホと不自然な咳払いで誤魔化す。 全く、心臓に悪い。
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