28.アフタヌーンティー

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───見知らぬ他人とはいえ、殺されるかもしれないのは放っておけないな。 私にも良心というものがある。 それに、他人事ではあるものの、関わってしまった以上は、こちらにも何かしらの影響が出てしまうかもしれない。 うーんと考えつつ、手持ち無沙汰にレースの袋を弄っていると、それを黙って見ていたイサがおもむろに聞く。 「───何かあったの?」 ピタリと袋を弄る手が止まった。だが、「何も無いよ」と再び弄り出す。・・・・・そんなに顔に出てしまっていたのか。 私はイサの方を向き、そんな事ないとでも言うようにその整った顔を見つめる。───不意に人差し指で眉間を押された。 「ほら、しかめっ面」 「・・・・・んー」 ぐりぐりとするその指を両手で掴む。やめて欲しいと目で訴えるとすぐに指を離した。 「やっぱり何かあった?」 どうやら相手は諦めの悪い奴らしい。意図せずとも貰い物されたし、仕方ないかと息を吐いた。 「・・・・・、教えたら帰ってくれる?」 ちらと横を窺いながら言えば、そんなに帰ってほしいの、と苦笑されてしまった。 そりゃあ、得体の知れない侵入者に長居はさせたくはない、と普通なら思うはずだ。 教えるのは、決してチョコに釣られたわけではない。・・・・・決して。
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