28.アフタヌーンティー

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何故、出口のある部屋の待機でもファーファラが許可したのか。間違いなく、アレ(・・)がその理由だろう。 恐らく、あの魔素の膜は〝結界〟だ。 見ただけで効果まではわからなかったが、イサのお陰で推測は出来る。 アレの目的は出口を塞ぐことではなく、そこを通った者の反応を術者に伝えること───言わば探知の役目だ。 ───なるほど・・・・・塞いでしまうのではなく、すり抜けられるようにしたのか。 フレデリカの結界を破ったということは、既に耳に入っていたのだろう。 フレデリカは結界術のエキスパート、結界術師だ。彼女を超える者でないと、閉じ込めることはできない───恐らくファーファラはそう考えた。 「・・・・・それで、あの結界ね」 結界を維持する為にも、簡単な術式を使っているのかもしれない。 さすが元冒険者だ、と声に出して感心しつつ、ソファーにすっぽりと埋まる形で身体を丸めた。自身の魔素を眺めながら思う。 ───暫くは動かない方がいいか。どちらにしろ、私に出来ることはないし・・・・・聖殿なら、何とかできそう。 私は、自分が付けた傷を大したことではない、と軽視していた。ミレイヤの魔法が効かなかったのだって、効力が弱かったせいだろう、と。 ───それが大きな間違いだと知ったのは、伝言(メッセージ)を受け取ったファーファラが、再び必死の形相で入ってきた時だった。
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