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畳み掛けるようにして少年が顔を覗き込んだ。
「どうですゥ? ───使いませんかァ?」
近くに迫った銀色の瞳が妖しく光る。吸い込まれるその光───気づかないうちに、ミレイヤは自身の手を重ね合わせていた。
「強く、なりたいです」
思惑通りとニヤリと口角を上げた少年は、その手を軽く握ると優雅に一礼をする。首をぐるりと回し、顔だけをミレイヤに向けて言った。
「ボクのことは〝クラウン〟と呼んでくださいィ。───これからよろしくお願いしますねェ、ミレイヤ=ブルーメさん?」
───ミレイヤの願いは、叶った。
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