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四回生、つまり最上級生のお姉様方は、この度の文化祭の出し物にて『リア王』の演目をなさいました。
その中で末娘のコーディリアを見事に演じきったお姉様。
いま舞台裏の楽屋にうつり、複数の級友たちから花束を贈呈されています。
私は下級生なので少し遠慮をし、皆さんがまばらになるのを見計らいお姉様に近づきました。
「お姉様、お疲れさまにございます!」
「まあ、こう子」
「素晴らしゅうございました、私もう、泣けて泣けて……」
劇中を思い出すと、また涙が込み上げてくる私にお姉様が『外へ出ましょう』と優しく促して下さる。
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