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「そ……そう」
振り返れずに居たら、俺の横をすり抜けてベッドに上がってきた。
「なんか、下がスースーするけど……このシャツカワイイね」
大きめのシャツは、ヒメの膝の少し上まで隠れていて、俺はホッとする。
「ドライヤーありますか?」
屈んでベッドの周辺を探った時にお尻が見える寸前までシャツがずり上がり、慌てて目を逸らした。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
ブォーとドライヤーの熱風がしんとした部屋にやけに大きく響く。
何か喋らなければと思うのに、頭が真っ白になって無言でヒメの長い髪が風に踊るのを見ていると、ヒメがクスクス笑った。
「大人しいんだね。ステージじゃない時は」
「そうかな……」
「乾いた~!ありがとう」
ヒメはドライヤーのコンセントを抜いて返してくる。
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