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俺は咳払いをした。
「あのさ……さっきの事……怒ってるよね」
ヒメはキョトンとする。
「だから……ほら……タクシーの中で……」
すると、途端に頬を染めて俯いた。
小さな指がシーツを掴んで白くなっている。
その仕草を見ていとおしさが込み上げた俺は思わずヒメを抱き締めてしまう。
シャツの中に何も身に付けていないと思うと、それだけで身体が熱くなる。
柔らかい感触と髪の甘さに夢中になり強く抱いた。
「ちょ……だ……ダメ」
小さな手が懸命に胸を押しているが力で敵う筈もなく、 敢えなくベッドに倒される。
「何で……付いてきたの?こうなるって思わなかったの?」
俺は逸る気持ちを必死に抑えて、ヒメの髪に触れて静かに聞いた。
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