夜明けのファルセット

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「一目見たときから……好きだよ」 唇を奪おうと、顎を掴み顔を寄せるが、ヒメは眉間に皺を寄せて口を結ぶ。 「……怒ってるね」 苦笑して指で唇に触れると噛みつかれそうになり引っ込める。 「……身体が目当てなんでしょ? 他の女の子にもそう言ってるんでしょ?」 「違うよ」 「信じられないよ…… ステージであんなに格好良くて素敵なのにモテないわけがないでしょ? ……ユミだって……」 言葉尻に嫉妬の色が見えた様な気がして、すかさずその唇を塞ぎにいく。 「ん……んん……っん――っ!」 ヒメはガンとして唇の中へ舌を侵入させる事を拒み、拳で背中を叩きながら脚をばたつかせるが、短いシャツが捲れて太股が露になり、俺の目が釘付けになる。
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