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「泣かないで……
怖がらせてゴメン……
けど俺は……」
「ひっ……く」
抱き締めるとその腕を首に廻して来てドキリとした。
「だから……
イヤなのにその態度はおかしいって……」
こっちは滅茶苦茶にしたい欲望を死ぬ思いで押さえ付けて居るのに、ヒメは分かっているのか分かっていないのか……
俺はベッドから降りると玄関で靴を履く。
「……何処に行くの?」
涙声が後ろで聞こえる。
俺はわざと素っ気なく返事をした。
「俺……連れの所に泊まるよ」
このまま居たら発狂してしまいそうな位に身体が疼いていた。
ヒメが拒むなら、俺がこの場を離れるしかない。
「そこに鍵があるから……帰るときにはポストに入れといて」
ドアに手を掛けたとき、フワリと石鹸の香りがしたかと思うと後ろからヒメが抱きついてきた。
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