紫陽花の花言葉

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「まぁ血の気も多い事じゃし、ワシも客として行ってみたいから、アイドルのオーディション感覚で受けてみたらどうじゃ?」 「フォローになってないし、クラブに行きたいだけだろ。むしろじじいが用心棒になって殺されてしまえ」 「ちょ、ちょっと百合ちゃん。またそんな般若面して……クラブに行きたいのもあるけど新たなステップもいいかなって思ったんじゃよ」 社長は奥の引き出しから、双棒に似た道具を目の前に出すと「練習用じゃ」と渡してくれた。 そういえば金刺繍の合宿の時に練習用の双棒は渡されたが、あの時よりも一回り小さい気がする。 「敵を灰にしないタイプじゃが、実際に殺すことは出来るから、さじ加減は必要となる。今回みたいに執行ではなく潜入の場合、無闇に『灰』に出来ん場合あるじゃろ?」 そういえば、短期留学の際に槿を確保した時も、フクロウの世界で襲われた時も双棒での攻撃ができない時があった。 「ただし、姉妹は注意して扱わんとパワーがありすぎる。だから練習するには虎の世界位が丁度いいかと思っての。おまけに臨時で小遣い貰えるなら二人も喜びそうだしの」 新たなステップアップと言われると少し断りづらいし、立花の者に借りを作りたくないので、先程の事を忘れて貰えるなら都合もいい。 チラッと瑠里を見ると、複雑な表情をしていたので『やっぱ断る?』と周りに聞こえない位の小声で呟いた。 「いやね、今度忍者探偵Ⅹの公式ファンサイトで限定の腕時計が販売されるんだけど…小遣いってそれが買えそうなくらい貰えると思う?」 思いもよらない返答に唖然と立ち尽くしていると、いつの間にか背後にいたキツネが口に手を当てながら声のボリュームは下げず会話に入って来た。 「チェックしてた?瑠里は誰のがいい?ワシはカスタムオーダーに応募した」 「出たよ、ボンボン発想。私はそこまでは求めてないけど、グレー忍者のモデルが気になってる」 「ええっ?!瑠里あんな影のある男がいいの?ワシ軽くショック受けたんだけどぉ」 内容も分からないし、瑠里が知らない間にファンクラブの会員になっていた事の方が寝耳に水だった。
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