鷹人間の眼

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尾行を続けていると、遠くから明かりが見え、トラックが速度を落とし立ち寄るのだと思われた。 ずっと走っていたので、私も伸びをしたり、トイレ休憩を挟んで欲しいと思ってたところだ。 「バーに入るな……百合ちゃんは、新しい車で待機してて」 いつの間に連絡を取り合ったのか不明だが、立ち寄る場所には新しい車が用意され、乗り換える準備は万端のようだ。 窓のある車は嬉しいが、この機会を逃すとトイレに行けない気がしたので、滋さんが降りるタイミングで、声をかけようと待機していた。 何もない一本道にオアシスのように大きなバーと、隣にはモーテルというか、私達の世界でいうラブホテルに見える。 想像ではあのバーにグラマラスなお姉さんがいて、トラック野郎を誘惑しホテルに導いていく。 かは分からないが、何となく女性は足を踏み入れにくい雰囲気だ。 滋さんが車を降りたので、トイレに行っておきたいと声をかけた。 「確か裏にあるよ、済ませたらあのワゴンに向かって」 何台か止まってる車を差されたが、近づけば分かるだろうとトイレに向かった。 バーからはロックな音楽と笑い声が聞こえ、大人達は盛り上がっているらしい。 つなぎのポケットからハンカチを出して手を拭いていると、入口でウチのナイトが、見張りをしてくれていた。 「もう、やっぱ王子にキュンとくるぅ」 腕を伸ばすとサッと交わされ、行くぞと言わんばかりのツレない仕草だ。 「はい、はい、新しい車に向かえばいいんですよね」 二、三歩足を動かした所で、全身にゾアッと悪寒が走り、立ち止まって振り向いた。 『……なんだ、今の』 後ろには誰もおらず、トコトコと進む王子達について行こうとすると、片腕を引かれ布を口に押し当てると一気に空へ飛び上がった。 「ぐっーー!」 布に何かが染み込ませてあるのか、身体の力が出ず、このまま投げ捨てられると一貫の終わりだ。 「お前、俺達と似たような眼と感覚持ってるんだろ?」 片腕と顎に手を添えられただけで支えられてる私は、恐る恐る鷹人間の顔を見た。
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