鷹人間の眼

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「あの、もうちょっと上品にというかさ……」 隣では社長や、和音さんもいてステーキに舌鼓をうっている。 机に下に王子達の餌も用意してあり、私が合図すると二匹共ガツガツと食べ始めた。 「何ボーッとしてんの、姉さんも食べたら?」 「うん、あのさ、瑠里は社長と泊まりで鷹の世界にいた…」 コーヒーとパンを手にして空いた席に座ると、瑠里に片手で制止され注意を受ける。 「スナイパー忍者by探偵Ⅹと呼んでもらおう」 「長いわ!それに呼びづらいけど……またスキルアップだね」 あんぱんを口に放り込み、今までの出来事でも話そうと思ったのに、隣のキツネがステーキを平らげ邪魔をしてきた。 「百合聞いてぇ!こいつらぁ超ナシって感じで……」 どうやら瑠里は、イザリ屋仕様の銃に興味津々で「触らせろ」と駄々を捏ね帰らず、結果的に使える様になった……という流れらしい。 「途中から合流したワオンも何か不機嫌でさ、いっくん、なんかぁ……やりづらかったっていうか」 「分かったって!気苦労させてごめんなさい」 「……まあ、それも楽しかったんだけどぉ」 拳を握るとササッと隅に移る社長に、ため息を漏らした。 「瑠里の執念深さとミーハー心は『狙撃』に向いておるようで、まだ近い距離ではあるが、いい筋をしておる」 撃ったのが瑠里という事は、素人で私に当たる確率も否めないのに、ゴーサインを出したと思うと、腹立たしさを抑えきれない。 「……じじい、瑠里はまだ初心者なの分かって撃たせたゆー事か?」 「いや!前日沢山鷹人間執行したからぁ、練習はしたんだから」 瑠里がそこまでして執行を手伝い、狙撃を身につけたかったのは、何となく頭を過る事がある。 「ねぇ、もしかして忍者探偵Ⅹの中に近いキャラいる?」 「ふふん、さすがだな茜」 社長のいう『ミーハー心』について納得し、額に手を当て机にうつ伏せにもたれた。 「般若も列車では大蛇の炎を出し、カーチェイスでは大蛇に跨り、まるで魔王のようだったと聞きワシも喜んでおる」 「やかましい、誰が魔王だ!こっちも必死だったんだよ」 人の気も知らないでと言いたいが、ちゃっかり私の状況も把握してる社長。 さすがだと思いつつ、侮れないキツネだと無意識に見つめていた。
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