第1部〈1〉手折られた蕾

2/42
1083人が本棚に入れています
本棚に追加
/992ページ
「二条」  御所様の熱い舌が私の口唇をなぞるたび、甘い痺れが全身を貫く。 「二条……」    私の顎をとらえ執拗に繰り返す、幾度となく名を呼ぶ声が濡れたように艶めく。 「やっ……御所さま」  吐き出される息の熱さ、ためらいもなく伸びた指がやっとふくらみかけた胸に触れると、私は少しだけ身を引いた……。
/992ページ

最初のコメントを投稿しよう!