第6部〈1〉鴛鴦《えんおう》の衾《ふすま》、連理の枝

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「ああ、しかしあれだなぁ」  べん……と琵琶の一弦を爪びき、立ち止まった御所様が、振り向いて暗い視線を投げつける。 「いずれ私の前から消えるお前でも、今は確かに私の囲い者。その事だけは、きちんと思い出させてやらねばなぁーー」  え、と思う間もなく降ってきた乱暴な腕が、私を後ろ手に締め上げて髪を引き、髪飾りから強引に引き抜いた細紐で、私の両手首を後ろ手にぎゅうと縛りあげた。  金糸銀糸も豪華な絹で編まれた御所様の琵琶が、ガラガラと回りながら床に転がった。
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