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「大変だった訳よー、だって、整形して名前も変えて、なーにー? アイコ、だっけ? ダッサ! 整形したその顔もダッサ! あんた、そんなに自分が嫌いだったの? いくら過去の男ぜーんぶ、あたしから寝取られたからって、そんなツリ目に整形しなくたっていいじゃない」
ユキナは病的な程ヒステリックに喋り続けた。
「この、ヨシキにたどり着いた時、あたしがどんなに嬉しかったか、あんたに分かる? どれだけあんたに会いたかったか......勿体無い、整形なんか。あたし達モテる顔立ちしてるのに」
そして、あたしの顎をクイッと細い指で上げた後、チュッと唇にキスをした。
「ーーやめて!」
反射的に仰け反るあたしに、ユキナは暗い影を落とした。
「それとも......あたしのことが嫌いだった?」
かつて、反吐が出るほど嫌いだったタレ目が、キラキラと潤んでゆく。
過去のあたしの顔。
「アイナ、あたしはね、あんたと何でも半分こしたかっただけなの。小さい時からそうだったじゃない。おやつもぜーんぶ半分こ」
「男はおやつじゃないのよ、ユキナ」
「おやつよ!! 男なんてむしろ、おやつ以下よ!!」
ユキナは、またヒステリックに叫ぶ。
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