第1章

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車掌と運転手は乗客に説明を繰り返しながら最後尾の車両を目指す。 車掌らの後ろを歩む乗客は男女合わせて200人程だった。 線路が分岐している所もあるので、先頭を歩む運転手の後ろに迷わないように続くように説明を受けた後、僕達は線路上に下り前の駅を目指して歩く。 線路が分岐している所を過ぎ暫く歩いた時、先頭を歩く運転手が僕達に前の駅まであと200メートル程だと告げ、歩みを心持ち早めたが直ぐに歩みを止め前方を見つめた。 前の駅に向かう線路の上に土砂が積もり、トンネルを塞いでいる。 僕達は運転手の指示で線路が分岐している所まで戻り、別な駅を目指す事になった。 疲れ果て僕達は黙々と歩む、線路の先に別な車両が見える。 先頭車両の中ほどから後ろが土砂で埋まっているけど、その車両に乗っていた人達の姿が見えない。 運転手が先頭車両のドアを開け、僕達を残して中の様子を見に行った。 戻ってきた運転手は僕達に告げる。 「最後尾の車両から向こう側に出られるぞ」 先頭車両から数両後ろの車両まで土砂で埋まっていたけど、その後ろの車両から最後尾の車両までは埋まっておらず、この車両に乗っていた人達は後方車両から待避したみたいだ。 疲れ果てていた僕達は、この車両の中で休息を取り1夜を明かす。
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