召喚と王と玉と

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『来ないで』 『我が玉よ…頼む、こちらに来てくれ。ここから落ちればお前は…っ。我はお前に死んでほしくない』 この国は暑い国だ。私の嫌いな熱。 『元の世界に帰れないなら…それは、死んだも同じです』 死にたくないのに、何故私はこんなことをしているのか自分でもよく分からなかった。でもこれは多分意地のようなものなのだろう。誰もいない、独りぼっちの私…そんなの寂しい、嫌だ。 『私が駄目でも…また、玉を召喚すればいいじゃないですか。私は一人でこの世界を生きていく自信がありません…お役になんて絶対立たない』 『お前は、炎を出した』 赤い人の周りにまたあの炎が現れた。見ていて暑苦しいなと思うのに、私の体は直接的な熱さはもう感じない体になったようだ。 『我はエンガンカース・ヒュースト。エンと呼べ。この世界で誰よりも強い炎の使い手。炎を持つ者は強く気高く正しい』 『我はずっと玉を得たかった。召喚出来たのはお前だけ』 『召喚には、半分の寿命を捧げる必要があるからな』 唖然とする私に比べて、エンは照れたように笑うだけ。もう全てが馬鹿らしい。この人は馬鹿。大馬鹿野郎よ。 『流石にそれは重いよ! 馬鹿なの!?』 .
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