召喚と王と玉と

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『流石はヴァルハラーラの…いや、我が玉。炎を操れる玉とはなんという奇跡。美しい炎だ。汚れなき美しく澄んだ炎』 赤い人はそう言って笑うと彼の全身の刺青が赤く輝きだす。足元から生まれたのは私と同じ炎だった。波のように呻る炎に彼は掌を私の槍炎へと突き出すと彼の炎もそれにならって彼の前に躍り出る。やがて炎と炎がぶつかり合い暫く拮抗するも私の槍炎が先に壊れた。 『我の最も得意とするは炎の属性だ』 私は色んなことを言いたかったのに結局何も言えず、ふと目に飛び込んだ窓に足をかけた。背後から聞こえる悲鳴に目もくれず屋根を慎重に走る。 そこは、赤い国というに相応しかった。どうやら私がいたのはこの国の城だったらしい。城も大体は赤で統一され美しかった。 『そこを動くなっ…!』 怒鳴り声の持ち主は今までの冷静でクールな表情から一変 鬼の形相だった。むしろ怖い、逃げたくなるくらいの迫力に私は遠慮なく逃げた。屋根の先まで来てもう逃げ場はない。 .
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