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「な、何を言っているんですか!?」
「バカッ、声が大きい」
「すみません…」
まあ、ここはファーストクラスなので、もともと乗っている人数自体は蒼井達を入れても数名しかいない。
しかもそのほとんどの人が音楽を聴いたり睡眠をとったりとしているので蒼井達の話が聞こえることは
ないと考えられる。
「まあ、俺もこんなこと言いたくないけどさ…ほら、八木さんこの間や今回のドラマで蒼井に主役とられて腹立ててたし…逆恨みとか考えられるだろ」
「八木先輩はそんなことしませんよ、それにアレは事故ですよ。」
「まっ、そうだな。いくら八木さんでもそんなことはしないよな?悪い、俺が深く考えすぎていたな(笑)」
「そうですよ。」
「もう悪いことばかり考えずに今はドラマを精一杯頑張ろうな!」
「はい!」
ーーまもなく○○駅に到着いたします。
「あっ、次だな。荷物準備しとかないとな」
と言って紅野は自分の席へと戻っていった。
「蒼井さん、本当に大丈夫ですか?」
横で小峰が心配そうに声をかける。
「大丈夫ですよ、もうあの時のようなことにはならないですよ。」
「あの時とは、先日のことですか?
それとも…
3年前の事件のことですか…?」
そう質問されて蒼井は静かに
「両方ですよ。」
と答えた。
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