食べ物の恨みは地味に怖い

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クロスは激怒した。 必ずかの邪智暴虐な王を除かなければならぬと決意した。 クロスには政治は分からぬ。クロスは旅人である。口笛を吹き、動物と遊んで旅してきた。 けれども、食物に関しては人一倍敏感であった。 この国の名物であるプリンポテトを王が掌握していると聞くと、クロスは激怒した。 「っざけんな国王!てめぇどんだけそのボテ腹にプリンポテト詰め込めば済むんじゃボケエエエェェェ!いっぺん死ねええぇぇぇぇ!!!」 「落ち着いてくださいよ、クロスさん。芋でそんなシャウトしないでください。」 「否!食の権利と自由を奪うその罪!万死に値する!」 「はい、この国もうひとつの名物ミルキースパイラルですよ~。」 「その罪必ずはぐっ………うんましぃ~(*´ω`*)」 クロスをちょろまかしたのは相棒のジェイドである。 彼は、この物語においてクロスの食暴走を抑えられる唯一の人物。 もしジェイドがクロスを抑えることができなければ、読者の皆さんがトイレに行っている間にこの物語は終焉を迎えることになるだろう。焼け崩れた世界をバックにクロスが「ふふ…これで誰も…食物を独り占めになんかできない…」という台詞を最後に決めて。 おっと。話が逸れすぎた。 では、ここでクロスとジェイドについて紹介しておこう。 クロス・リトエイド。 黄金に近い瞳と髪が一番の特徴である。その色は彼女が望まなくとも見た者を魅了する。だが、残念ながらクロスは食暴走がある為「なにあの金髪叫んでるんだけど怖い」という印象を与えやすい。 性格はさっぱりとしていてマイペース。だが、先程も述べたように食に関しては人一倍恨み深い。 まあ、総合評価的には残念な主人公という感じだ。 ジェイド・ストラック。 クロスとは違い、黒髪眼鏡でいかにも地味キャラである。 しかし、秀でた観察眼の持ち主で、大体のことは乱れずに対処することができる。 また、魔術に関しては一流で、近接戦闘から遠隔戦、クロスのサポート、治癒、炊事洗濯から掃除まで完璧にこなす程である。 言うならば、おかん系準主人公といったところだ。 ああ、あともうひとつ。 僕のことも少しだけ紹介しておこう。 僕はこの物語における語り手。 物語が進めば追々僕の正体も分かってくると思うけど、とりあえず“ルノ”とでも呼んでくれ。
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