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「昔々あるところに、とても綺麗で、とても強い、金色の神様がいました。」
クロスはその昔話が好きだった。
だってそれは自分によく似ていたから。
まるで自分が神様になったようだったから。
「神様はたくさんの人達の願いを叶えました。」
いつかは自分もたくさんの人達の願いを叶えるんだと、信じていた。
信じ切っていた。
「けれど、神様はある時自分が戦いの神であるという事に気付きました。自分が戦いを生み出しているという事に、気付いてしまったのです。」
そうだ。
自分は戦いを呼んでしまった。
多くの命を見捨てて、生き延びてしまった。
「…クロス………貴女が…………。」
嗚呼…。
あの昔話の神様はどうなったのだったか…。
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