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午後のやわらかな光がステンドグラスに差し込み、幻想的な色を作り上げている。
耳に馴染むのは少年たちの聖歌。
ひときわ大きな礼拝堂の中心にある、複雑な彫刻が施されたカテドラル。そこには、絹のローブをまとった美しい青年が座っていた。
青年は聖なる調べにに耳を傾けながら、優美なしぐさでワインをグラスに注いだ。
真紅に染まる赤い液体は血の色を連想させる。青年はこの赤が好きだった。
しかし、このひそかな楽しみは来訪者によってかき消された。
「失礼します!」
畏まった声が石造りの空間に反射する。
1人の男が扉を開けて入ってきた。相当急いできたのか、息が切れている。
青年は冷たい瞳で男を見下ろした。
「用件は」
「はっ、申し上げます」
男は大仰なそぶりで膝を床につけ、頭を垂らした。
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