2章 変わりゆく日常

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昼休み、職員室の前で長岡を待つ亮の前を違う学校の制服を着た女生徒が通り過ぎる。 腰の高さまである黒髪を揺らして、職員室の奥にある校長室の扉を3回ノックして入っていった。 その入れ替わりの形で長岡が職員室から出て来るなり 「すまん、急用が出来て家庭訪問行けなくなった。また後で連絡するから」と片手で悪いなとポーズをとり、亮は仕方なく教室へと戻って行く。 「あれ今坂、昼から休みじゃないの?」 自分の席に着く亮に茶髪の男子生徒が声を掛けた。 「先生が急用が出来たって言って無くなったよ。 てか、昨日保原休んで代わりに掃除したんだから今日お前やれよ」 保原は目を泳がせて「あれ?まだ体の調子が悪いぞ」と言いながらわざとらしくフラフラと何処かへ行ってしまった。 保原 一志(やすはら ひとし) お調子者でアイドル大好きな何処にでも居そうな男子生徒。
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