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「エミリオ、いい加減にしろ」 「わかってるよ」  エミリオの悪戯を諌めながら、ウルバーノはちらりとアリエッタに目を向ける。その瞳の奥には、冷たい焔が揺らめいていた。アリエッタの心臓がばくばくと音を立て、呼吸が小刻みになる。べたつく汗が肌に滲んで、彼女はぶるりと身を震わせた。  か細い手首を握るウルバーノの手に、ぎりと力が込められる。まるで「逃がさないよ」と告げるように。 「お前、なんでいつもこんなことしてんの」  そう言って、ウルバーノが小さく溜め息を吐く。とにかくそこから逃げ出したくて、アリエッタは硬く目を瞑った。 「別にどうだっていいだろ。アリエッタは俺のなんだから」  エミリオの唐突なその言葉は、アリエッタの耳に驚くほど鮮明に響いた。「ふうん」と気の無い返事をしてアリエッタの手を放すと、ウルバーノはつまらなそうにエミリオの部屋を出て行った。
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